赤痢アメーバ症
赤痢アメーバ症は、無症状から重篤な症状まで幅広い臨床像を示す感染症です。
汚染された食品や水の摂取によって感染することがありますが、日本での感染経路の大部分は性行為に関連したものです。
症状
主な症状には下痢、粘血便、しぶり腹、排便時の下腹部痛や不快感などがあります。
赤痢アメーバは血液を経由して腸以外の臓器に侵入することがあり、中でも肝臓に膿を形成することがあります。
この場合、発熱や右のわき腹の痛み、吐き気、嘔吐などの症状がみられることがあります。
原因
赤痢アメーバに感染した人の肛門を舐めたり、触ったりすることで、赤痢アメーバが口から腸管に入り感染します。
また汚染された水や食物の摂取で感染することもあります。
検査
糞便の顕微鏡検査や抗原検査が行われます。
内視鏡検査の際に疑われた場合、大腸の組織を採取し、病理検査が行われることもあります。
治療
メトロニダゾールという抗菌薬で治療します。
この治療により症状が改善した後も、残存する赤痢アメーバ(シスト)に対する治療として、パロモマイシンという抗菌薬を内服します。